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2011年8月25日 (木)

実践と理論を繋ぎ、さらに付加価値を高め続けることができる一冊

こんにちは、2011年3月にグロービスを卒業した伏原と申します。

グロービスの田久保さんが書かれた社内を動かす力~結果を出す人だけが
知っている4つのプロセス~
(ダイヤモンド社)、を読み、とても面白い内容だっ
たので、皆さんにも共有させていただきたいと思い、ブログの形で紹介させていた
だきます。

この本は薄くてすぐに読めるが内容はものすごく濃い一冊。
特に『戦略の実行』をテーマにした「ストラテジック・インプリメンテーション
を受講したことのある人は「絶対に買って読むべき」一冊だと感じた。

この本では「実際に社内をどうやって動かしていけばいいか」という、ものすごく
実務的な話が理路整然と書かれているのが特徴。
実効性が高い手法とMBAで教わる
理論/理屈のギャップというのはものすごく大きくて、それが理由で「MBAで学んだ
ことなんて実務では使えない」なんて言われたりもするが、特にインプリ(戦略の実行)
の分野はそれが顕著に出る。
実務との大きなギャップをどう埋めて、乗り越えていくかが学校にとっても、そして何
よりMBAの学生が掴み取るべき重要な能力だと思う。

僕が受講したストラテジック・インプリメンテーションのクラスでは、より実務側から
アプローチするように講師の田久保さんがクラスをファシリテートしていた。
大阪校の濃いキャラクターのメンバーが現実にビジネス現場で起こるドロドロの話
を出しつつ、それを理論と紐付けながら実効性の高いシンプルな言葉に置きかえ
ていく(抽象化する)という連続のクラスだった。まさにこの本で書かれている「ストー
リー化」
「シンプル化」の連携をクラスの中で何度も往復したことで納得感(いわ
ゆる腹落ち感)が高まった。

『そうか、理論はこうやって繋がっているのか』と感じ、もっと言えば『自分で抽
象化することで理論にまで持っていくこともできる』
と実感すら出来るクラス構成
になっていたと感じる。
もう一つ上位概念で考えると、このクラスを通して理論と実践をどうつなげていけば
いいかを学ぶことが出来、まさに『学び方を学ぶ』クラスにもなっている。

そしてこの本はそのエッセンスを再構築しながら,今度はより理論に近い部分を強
化した内容になっている。広く一般化/抽象化して多くの人に重要なエッセンスのみ
を伝えるのが目的だから当然だが、この本はストラテジック・インプリメンテーション
受講経験者には未経験者以上の読書価値を得ることが出来るはずだ。受講経験
者は理論の整理や再復習を行えるだけではなく、実際に行間に埋め込まれた実務
とのバランスを見出せるからだ。

本文中にはショートケースに加え、様々な小エピソードも含まれているが、それに自
分自身の経験や周囲の様子を想定して読めるはずだ。そういえばクラスで似たよう
な話題が出ていたな、と「物語」として記憶しているから、類似事例を最新の自分自
身の事例で読み起こせる。
この本をトリガーにして、クラスでの濃い追体験(他の学生の経験を皆でシェアしたも
の)を媒体として自分の今のケースを抽出できる。これがこの本を受講経験者が読む
一番の醍醐味になる。

「この本は買って読むべき」と書いた理由はまさにここにあって、この本を読むことで
ストラテジック・インプリメンテーションのクラスで学んだ理論と実際のインプリを
再度繋ぎ合わせることができる
からだ。
インプリは常に意識して実行しつづけないと失敗する。
常にチェックし、再度見直しを行い、修正する。PDCAをしつこく継続することのみが
成功の秘訣だと思う。その再確認のタイミングでこの本を読むことで実行精度が高ま
るはずだ。

さらにもう一歩踏み込んで言えば、その時、その時の自分自身のストーリーがこの本
の中で繋がりを持つようになる。もちろん失敗する前に気がつく場合もあれば、成功
要因として繋げることも、時には失敗実例として繋がることもあるだろう。
自分自身の体験をこの本を媒体として理論と結びつけることでより強く学習でき、自分
の中でPDCAの力強い理論骨格を構築できるはずだ。

振返りの度に繰り返し読み返し、自分自身のストーリーを書き足し、書かれたシンプル
な理論を自分のものにしていく。この本は書いてあること以上に自分の追経験を加え
ることで価値を高めることができる本であり、それをより効果的に実現できるのはあの
濃いクラスを体験した者だけに許される特権だと思う。

そういう意味でストラテジック・インプリメンテーションのクラスを受講する前よりも
終わってから読むことをお勧めする一冊。是非買って、自分で書き込んで、
自分にとって付加価値の高い一冊を作り上げてほしいと思う。

追記
この本のもう一つの特徴はものすごく引用が多い事。これは田久保さんならでは
「おまけ」で、世の中の理論とさらに田久保オリジナル理論が見事にこの本の中で
説明されている。
どの学者のどの理屈がどのように紐付けされるかもわかりやすく、さらに深めるため
に何を読めばいいかもよく分かる。そういう意味でも価値が高い一冊だ。

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